きりしまフラワーの原点

*以前Readers Style様にて以下のインタビューを受けて掲載されました。

 1949年、和歌山県生まれ。8歳の頃から新聞配達。15歳で上京し、従兄の花屋業を手伝う。
22歳で独立し、やっと25歳の時に青山にて一坪の最初の店舗をオープンさせる。
現在迄約500名の独立を輩出し、直営店の売上はスタートしたその日からカウントしていて、
平成26年9月末時点で140億2494万9197円に至っています。
11店舗の花屋を経営し、花と健康と店舗開発の三本柱で社会に貢献出来るように社業の発展に奮闘中。

 8歳の頃から新聞配達は何社かかけもちしていて、夕刊紙の残り余った分をもらってそれも売っていました。
普通の家に売りに行くと、同級生もいるから恥ずかしくて行けないじゃないですか。
だから、和歌山の市民病院に売りに行ったんです。
1部5円をそのまま5円で売るのは申し訳ないので、2部5円で売りたいと考えました。
戸惑いもあったのですが病院でお願いをしたら売らせてくれて、患者さんが買ってくれたんです。
そこから毎日あちこちに新聞を売りに行きました。
そうすると町内のごはんが食べられない子にも、エリア分けをして新聞を売りに行かせたりもしました。
それが、私の商売の始まりであり、決して忘れられない私の原点です。
 中学を卒業して3日後には上京しました。いとこが東京で花屋を始めて、その手伝いをするために私が呼ばれたわけですね。
親族だから楽ができると思ったんだけど、全然違った。
7年間、リアカーを引いて東京中の一軒一軒をお花を売り歩きました。
お陰さまで東京中のエリアが頭の中に入りました。又、売り歩いた頃はなまりがあり、
早口でしゃべるものですから言葉が通じず大変困りました。
独立のきっかけは、田舎に帰ったとき両親が病気になっていたことです。
また、母が私の仕送りを貯金してくれていてその資金で独立できたのです。
いとこには猛反対され、今まで売りに歩いたお客さんのところへは行くなと言われてしまいましたね。
そこで東京のど真ん中に出て勝負をかけようと決心して、赤坂見附付近で行商を開始しました。
自分が独立する時に大きな困難があったので、同じ志を持つ人には何でも教えて少しでも早く独立して
店を持つように指導してきた。東京の花屋のおおよそ10パーセントは私の店より輩出してきました。
更に花業界の革新も多く挑戦して現在に至っていますが、まだまだ革新は終わっていません。

三つの事業で社会に貢献

 現在は、花と健康と店舗開発の三本柱で社会に貢献できるように取り組んでいます。
なぜこの3つの事業が繋がるのかと思いますよね?
 健康に関しては、妻が癌の宣告を受けたとき手術をすれば5年生きられると言われたのに、
手術後2週間しかもたないと言われたんです。その時にとても怒りを覚え、医療の世界を変えてみようと考えたんです。
現在の多くの病気はミネラル不足が原因であると確信しています。
 私が昔10代の頃、マクドナルドの藤田社長は私のお客様で、花をよく買ってくれており、
「貴方は日比谷花壇以上の花屋になるよ」と言われて、いつも励まされていました。
偶然にも私の行商のスタートとマクドナルド一号店(銀座店)の開店日と同じになり、
その後マクドナルドの開発部の方々と情報交換しながらマクドナルドの店舗開発もお手伝いしたことがきっかけで
店舗開発に興味を持ちました。現在の日本ではシャッター通りが社会問題になっています。
商店街のシャッター通りを無くすためにはどうしたらいいか、そこで『店舗信託』という発想を持ちました。
「あなたの店舗がシャッター閉まっているなら0円でオープン、売り上げ歩合家賃で協力しませんか?」という考えです。
これでお店をやりたい人と、お店が出来なくて困っている人を、行政も巻き込んで繋ぎ合わせようとしたんですね。
 自分を信じてやるべきことはやろうと思っていますが、社会性がないことはやらないです。
私の商売の基本的な発想はこのビジネスには社会性があるかないかを考えながらスタートします。
色々な経験を経て、自分だけがいいという訳ではなく、この世の中を変えなくちゃいけないという使命感が湧き、
社会性はとても大事だと思うようになったんです。会社を大きくしていこうと思ったら絶対社会性は大切です。
私が思う「会社が大きくなる」ということとは、売り上げや単純な数字ではなく、
自分の器がどこまで大きくなるかということ、それに挑戦しているんです。でも売り上げとお客さんの数については、
店を開いたときからずっと記録しています。細かい数まで全てきっちりと。
普通のお花屋さんが年間1000万売ろうと思ったら、1400年かかる計算なんですよ。
アイデアを絞った売り方、将来に繋がるような売り方をしないといけないですね。
でもこれだけ執念を持っている人は少ないんじゃないですかね。
生前、偶然松下幸之助様とお会いしその後ご指導を受けましたが、
常々「商売の半分は社会貢献すること」と言っておられました。
私などはまだまだこれからです。

素直になることが一番

 例え人はごまかせても自分のことはごまかせないと思うんですよね。
私は自分自身に厳しいですから、社員にも当然厳しいです。厳しいのに皆言うことを聞いてくれます。
それはきっと同じ想いを持って仕事をしてくれているからだと思うんです。
私は幼少期からあまり性格は変わってなくて素直で正直に思うことは変わらないですね。
素直さは一番大切で、自分をさらけ出さないと、相手も心を開いてくれないと思います。
 私は頭を使うよりも、身体を使うことが大事だと思っているんです。
インターネット等でIT長者になっている人もたくさんいますけど、それはほんの一部です。身体を使って汗をかく。
また、若いうちは何度でも挑戦出来るから更に挑戦する、そして早い段階で独立するのがいいと思います。
苦い思いや痛い思いをしないと人は使えないし、優しい人間になるには自分が辛い経験や厳しい体験をしないと無理ですね。
福沢諭吉は「ひとりひとりの独立は、国家の独立」とおっしゃっていました。
自らが税金を払う側になっていく、そういう人を多く育てていきたいです。
 あと、親を大事にする、つまり親孝行をする、これが大事です。母の日に花を贈るのもいいけれど、
それよりもお母さんの手を洗ってあげるんです。感動すると思いますよ。
石鹸で奇麗に洗ってあげたその手を見れば、この手が自分を育ててくれたんだということを実感するはずです。
照れくさいかもしれないけれど、ぜひ実行してみて下さい。
全ては自分の為です。